俺だって、気になるんだ。
















初夏





































松本から聞いた。
「朽木隊長、この前からずっと副隊長会議に出ていて結構楽しそうよー。」

・・・って。
何が楽しそうなんだよ。
俺は楽しくねえよ。
会議とか話し合いに出て、何が楽しそうなんだか。
あいつだって、俺と同じで、そういうの全っ然興味なさそうなのに。
この前の市丸のときのだって、口挟んでなかったし。
まったく興味なさげだった。
俺だってそうだったから。
それが、何だ?
副隊長ってだけでそんなに変わるのか?

確かに、副隊長っていえば・・・
松本だって一応、一応女だし雛森だっているし確か更木のところも女だったし・・・。
・・・おいおいおい。
そういえば、あそこ仕切っているのは草鹿だったっけ。
あんなの、小さくて子供じゃねえか。
もう一人仕切っているのは、松本が伊勢だって言ってたかな。
あいつは・・・まあ、あいつは京極がいるからいいだろう。
・・・何がいいんだかよくわからないけど。
そんな、あいつが興味示しそうなのいないじゃねぇか。
一番隊は男だろ、確か。あそこは何か俺もよくわかってねえけど。
二番隊も・・・隊長は砕蜂だったが副隊長はあの太ったやつだ。
三番は市丸だったから吉良だし、四番隊は・・・、・・・・・。
朽木のところは恋次だし。
あーもう、何いきなり他の隊のこと考えているんだよ俺は。

それで、何で楽しそうなんだよ?
あと、松本が言ったのは、
「発言なんかしちゃって結構喋ってたし。もしかして朽木隊長って喋るの好きなんじゃないですか?」
・・・とか何とか。
本当かよ?
あいつの妹の確か・・・ルキアってのにだって、あまり話しかけないじゃないか。
それなのに、副隊長会議では話すってのか!?
第一・・・


俺にだって、話してくれない。そんなに。
いつだって、声出すの俺だし。
それで、女相手には話すのか?
そんなのって、ない。


「おい、日番谷。」
・・・・・・・。
あぁ、俺の名前はそういえば日番谷だったっけ。
何だかなぁ。今は一人でぼーっとしていたいのになぁ。さっさと隊舎戻ればよかったんだ。
誰の声だか判断しないうちにゆっくりと振り向いた。
「お、わっ!!」
突然、髪留めのアップ。
貴族のみに着用が許されているもの。
「何故そんなにぼーっとしているんだ?もう隊首会も終わったことだし、戻らないのか?」
「あ、朽木じゃねぇか、おどかすなよっ!」
「お前が勝手に驚いていたんだろう。そんなところで止まってると踏まれるぞ?」
「な・・・っ!俺が小さいって言いたいのか?それ。」
「あぁ、よくわかったな。」
「なんだよ!俺にだって考えることはあるんだよっ!」
「そうなのか。」
「何でそんなニヤニヤしてるんだっ!!」
「いや?嫌味が通じて愉快なだけだ。」
「てめえだけだっ!」
さっきまで考えてたことなんて吹き飛んでた。
いつでもいつでも、こういってきやがって。
どうせ俺は小さいよ、お前には全然届かないし。
松本より小さいし雛森と同じくらいだし。
「・・・で?何考えてたんだ?」
ひとしきり笑った後、今度はちゃんとした話し方でそう聞いてきた。
からかっているようには聞こえない。
「やっと笑い終わったのかよ?」
「あぁ、まあな。で、何考えてたんだ?」
いつもいつも、長い間笑いっ放しで。迷惑だ。
第一、そう言われたって、言えるようなことじゃない。
「別に何でもいいだろ。そんな大したことじゃないし、忘れた。」
「そんなことないって顔に書いてあるぞ?」
「な・・・っ!」

そういえば。さっきの隊首会、朽木あまり喋ってなんかいなかった。
松本が違うことを言うとは思えない。
あいつはふざけているけど、そういうことでふざけるやつじゃない。
何でそれで副隊長だらけだと喋れるんだよ?
またぐるぐるしはじめてしまって、わからなくなる。

「お、まえ、最近、副隊長の方の話し合いっていうか、そういうの出てるのか?」
「何だ?突然。」
案の定、そう聞かれた。
「どうでもいいだろ、出てるのかよ?質問に答えろよ。」
「何だ?あぁ、まぁ今恋次が休んでるから私が出ているんだが、それが何だ?」
・・・やっぱり、出てるんだ。
気のせいか、楽しそうに聞こえるんだけど。
「そ、うなのか。楽しいのか?」
「楽しいわけないだろう。あいつのせいで仕事増えているんだから。」
・・・嘘だ。絶対。楽しそうじゃねぇのかよ。
「よく喋っているそうじゃねぇか。」
「ん?別にそんなに喋ってないが。」
「・・・そうか?いつもよりはよく喋ってるって聞いたけど。」
結局、聞くことになってしまう。
今更だけど。
「まぁ・・・今の会議よりは喋ってはいるかもな。
恋次に指示されてしまったし。」

・・・え?
指示、された?

「何だ?指示って。」
「あぁ、こちらの不利にはならないようにしろって色々言われてな。副隊長ってのも結構仕事多いんだな。」
「それ・・・だけ?」
「?あぁ。何で気にしてるんだ?そんなこと。」
「何でもない。」


いい気分だ。今、すごく。
白哉とたくさん話せたからかも。
よかったなって思ってしまった。-------。














FIN.









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アニメ死神図鑑ゴールデンネタ。
あの頃たくさん白哉さん出てきてすごく幸せだったからひっつんが嫉妬してないかなって思ったから・・・(言い訳
毎回ひっつんが弱い気がします。
まあ・・・白哉さんはあからさまにヘタレにはなれないから。実はひっつんのこともルキアのことも心配で愛しくて仕方ないのだけど。(←私の理想。
白哉さんは本当は全部お見通しだといい。ひっつんの知らないところで実は雛ちゃんに嫉妬してるといい。実は好きで好きで仕方なくて、ひっつんのわからないところで色々やっていればいい。
何となく二人でキスでもしちゃえばいいと思うよ!
読んでくださってありがとうございました。