あの時は、どう感じていたのか。
覚えてない、いや、何もなかったくらいに覚えてないってこともあるんだってことを、知った------。














B

-----side T-----






















初めて任務を共にしたのが、あの時。
総隊長の呼び出しのすぐ後だった。
あの頃から俺は、
意識していた。
白哉を。
-------六番隊隊長を。


そう、そしてあのときから、色々な話を交わすようになったんだ。


だって、------
だって、似てたから。

副隊長のこと話したときから、妙に親近感が湧いたから。

しかも、・・・・・・
わかってくれたから。
意外だったから。
いつもあんな態度とってる朽木が阿散井のこと話してくれたとき、びっくりした。
俺は貴族なんてどんなものか知らなかったし、どちらかというと負の感情持ってたから。
それが普通だ。
流魂街出身で貴族に親しみもてるヤツなんてそうはいないだろう。









しかも、その話が何だか笑えた。
あんなカオして、阿散井に振り回されてるとか言うから。
そう、意外だった。
傍目から見て、朽木は隊員をうまくまとめて、というより関心ないけど何とかやってて、どちらかといえば理想的だと思ってた。
阿散井はその補佐をちゃんとやったうえで敵視してるのかな程度にしか思ってなかった。
今の隊長どもがあんなで、至って普通。
だから話すこともなかったんだけど。
俺にとって、気の合う人だなんて思ってなかった。
朽木は他人とつるんでるように見えなかったし。


そんな、朽木と今こうなって、嬉しい。


今は、何かあると朽木を頼りにしてるから。






















「どうした、日番谷?」
あ、今、朽木といるんだっけ・・・。
ついこの間のこと考え始めると止まらないんだ。
「あぁ、ちょっとぼーっとなっちゃっただけ。」
「・・・そうか。」
思うんだけど、こんなに会話ないのに朽木はいいんだろうか。

「お前、最近仕事やってるのか?」
いきなりの問い。
・・・実は最近、松本にまかせっきりだ。
「いや・・・その、松本が全部やってくれてて。」
「よい副隊長だな。」
「だから、この前もそれは否定したじゃねぇか!」
「でも、仕事やってくれるに越したことはない。」
「阿散井は書類のこととかはやってくれねぇのか?」
「・・・まぁまぁ、だな」
「それって・・・お前が全部やってんの?」
「いや、だから半々だ。」
「・・・なんでそれが半々って意味なのかわからなかったんだけど。」
「そうか?」
隅を見やれば、たまった書類が白い塔みたいになってるのが見えた。











今いるのは、朽木の部屋。
さっき、呼ばれたから。
きれいにしてた。性格がわかるように。

「そこにたまってんじゃねぇか、仕事がたっぷりと。」
たっぷり、を強調しつつそう言ってやる。
「俺なんか呼んで、仕事の邪魔だったんじゃねぇのか?」
これは、本心。
一応期限だってある。
「あぁ、あれはほとんど終わりかけの書類だらけだから。」
「そうなのか?」
「あぁ、恋次のやったものに署名するだけ、とか。
そういうのだけだから。」
「・・・そうか・・・」
そうなると、俺の隊のほうが、やばい。

「お、俺、もうそろそろ行くわ。」
「何故だ?」
何故だって・・・
「俺のほうが終わってないんだよっ!」

そのとき、朽木の頬が緩んだように見えた。
「なっ、何かおかしいかっ!」
「いや?ちょっとな。」
「ちょっと、なんだよ?」
「いや、じゃあ、今日のところは帰ればいい。松本も待ってるんじゃないか?」
「あ、あぁ。」
いざとなると未練を隠し切れないで席を立つ自分が悲しくなる。
「・・・また、呼んでやるから。」
「え・・・」
思わず後ろを向くと。
「では、またな」
そのまま、送り出されてしまった。

いつものことなのに。
この時だけは、何かしてほしくてたまらなくなる。










俺はそのまま、隊舎に向かった---------


























FIN.
























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・・・何がしたいのかわからない話になってしまいました・・・。
とりあえず、ひっつんと白哉さんが二人で話してるの想像してたんですが。
二人とも天然なのか何なのかなので、全然思いが伝わりません。
そんなのが理想なんだけど・・・ひっつんが一人で思い悩むのを妄想すると楽しくて。
発展したらしたで嫌だなと思う今日この頃。
読んで下さってありがとうございました。もっとうまくなりたいです。
06.3.29